フィオナ林檎さんとパラサイト

久しぶりに暇を持て余した。

この三連休は仕事もなく、中日の日曜にスタジオに入る以外は、予定も何もなかった。何人かにお誘いのメールを出すも見事に全てふられたので、スタジオと髪を切りに行く以外はひたすら家の中で過ごした。そして、毎日十二時間くらい寝た。それだけ寝ると体調は良くなったが、なにか人生の無駄遣いをしているようでだいぶへこんできた。近頃はすっかり秋めいてきたこともあり、寂しくなることや落ち込むことが多い。おかげで髪を切りにいったときにされた頭皮へのマッサージで、美容院のお姉さんに思わず恋をしそうになった。

まあ、なんにしろ腐るほど時間があったものだから、前に実家に帰った時に持って帰ってきて以来本棚に置きっぱなしになっていた「寄生獣」を読むことにした。これを初めて読んだのは中学生の頃で、当時はかなりの衝撃を受けたわけだが、１０年ぶりくらいに大人になった今読み返してみても嬉しいことにかなり面白い漫画だった。あの頃気が付かなかったことに気が付いて「へー」と思う部分もあったが、基本的にはものの感じ方があの頃からほとんど変わっていないんだなってのもよくわかった。やれやれ。

この三連休は、フィオナアップルがBGMになっていた。フィオナアップルは１０年くらい前のある時期にはまって、その時には集中的に聴いたのだが、それ以外はほとんどCDラックの中で眠らせてきていた。それが、ひょんなことから再び『真実』ってアルバムを取り出す機会があり聴いてみたのだが、これがやっぱりまたすごくいいんだ。んで、「寄生獣」とこれとで「あの頃の俺はやっぱり正しかったんだな」というなぞの自信が生まれてきた。

暇で暇で死にそうな三日間が終わり、また今日からは気が狂いそうなくらい忙しい毎日が始まる。っていうか今はもう始まってしまった。よくわからない力に翻弄され、いろんなものをすり減らして生きている。まあ、これが人生のあるべき姿なんだろうなって近頃は思うようになった。「幸せか？」って聞かれたら、「まずまずだよ」って答えるだろう。


土屋