旅の終わりに見えるものは

楽しかったドラクエ５の旅も終わってしまった。ゲームであれ、映画であれ、マンガであれ、小説であれ、エンディングを迎えたときに結末を見た満足感と共に、もうその世界が続かないことへのなんとも言えない寂しさが残る作品というのが本当の名作なんだなー、と改めて思った。

今日は暇だったので、昼過ぎから一人で井の頭公園に行ってみた。近くに引っ越してきてから４ヶ月ほどが過ぎていたが、日々の忙しさにやられてろくに近所を散歩する機会もなかったのだ。今回は、ようやく普段の生活圏内をそれた場所を探索したわけだが、久しぶりの散歩だったせいかひどく感傷的になってしまった。中学生のころ、高校生のころ、大学生のころ、よく授業をサボって一人で公園をぶらぶらしたものだ。最後にそんなことをしたのはいつだったろう？思い出せない。俺はいったい、この５，６年の間になにをやってたんだろう？周りが出世したり、結婚したり、どんどん老けていくなか、俺だけは別の世界に生きていると思っていた。ただ、漠然と俺はまだ若いんだと思っていた。でも、それは違っていたのかもしれない。本当に俺はこの５，６年の間なにをやってたんだろう？いろんなものが、取り返しのつかないくらい遠くに行ってしまったのだけは実感できた。

家に帰ってテレビをつけると、ミュージックステーションがやっていた。サザンオールスターズ特集だってさ。ビールを飲みながらぼんやりと最後まで見てしまう。ミュージックステーションを最初から最後まで見たのは、中学生以来かもしれない。そうだ、俺は中学生になったばかりのころ、サザンオールスターズが好きだったんだっけ。当時のガールフレンドから『世に万葉の花が咲くなり』だったかな？そんなタイトルのアルバムを借りて、繰り返し繰り返し、それこそCDが刷りきれるくらいまで何度も聞いたんだったなぁ。そのころの俺は何になりたかったんだっけ？お、「エロティカセブン」を歌ってる！懐かしいなー。あのころ一緒に遊んでたやつらは、今ごろ何をやってるのかな？まあ、小汚ない田舎町だったから半分以上が高校卒業と同時に地元企業で働き始め、二十歳過ぎくらいで結婚して、二人くらい子供を作って、そいつらがまた小さいころの二人にそっくりで、って人生を送ってるのかな？お、今度は「真夏の果実」か。やれやれ、今聞くと恥ずかしいくらい単純でありきたりな歌なんだけど、なぜか少し泣けてきたよ。
ああ、俺もまた明日から頑張ろう！くだらない曲をたくさん作ってやろう！そしてエスタークを退治に行こう！


土屋